積層圧電アクチュエータ:トーキン製
標準品一覧
製品名 | 印加電圧150V (最大値) |
印加電圧100V (推奨値) |
共振 周波数 (kHz) |
静電 容量 (μF) ** |
絶縁 抵抗 (MΩ) |
価格 (円)*** (税込) |
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発生変位 (μm) |
発生力 (N)* |
発生 エネルギー (mJ)* |
発生変位 (μm) |
発生力 (N)* |
発生 エネルギー (mJ)* |
|||||
AE0203D04DF | 4.6±1.5 | 237 | 0.55 | 3.0±1.5 | 155 | 0.23 | 261 | 0.09 | 100 | 7,524 |
AE0203D08DF | 9.1±1.5 | 235 | 1.07 | 6.1±1.5 | 157 | 0.48 | 138 | 0.18 | 50 | 8,448 |
AE0203D16DF | 17.4±2.0 | 224 | 1.95 | 11.6±2.0 | 150 | 0.87 | 69 | 0.35 | 50 | 10,032 |
AE0203D44H40DF | 42.0±6.6 | 271 | 5.69 | 28.0±6.6 | 181 | 2.53 | 34 | 0.82 | 20 | 18,744 |
AE0505D08DF | 9.1±1.5 | 978 | 4.45 | 6.1±1.5 | 656 | 2.00 | 138 | 0.75 | 50 | 17,556 |
AE0505D16DF | 17.4±2.0 | 935 | 8.14 | 11.6±2.0 | 624 | 3.62 | 69 | 1.4 | 10 | 18,810 |
AE0505D44H40DF | 42.0±6.6 | 1129 | 23.7 | 28.0±6.6 | 753 | 10.5 | 34 | 3.4 | 5 | 36,300 |
AE1010D16DF | 18.4±3.5 | 3956 | 36.4 | 12.3±3.5 | 2645 | 16.3 | 69 | 5.4 | 5 | 57,915 |
AE1010D44H40DF | 42.0±6.6 | 4515 | 94.8 | 28.0±6.6 | 3010 | 42.1 | 34 | 13.6 | 2 | 123,063 |
AE1414D16DF | 18.4±3.5 | 7754 | 71.3 | 12.3±3.5 | 5183 | 31.9 | 69 | 10.8 | 2 | 132,000 |
AE2525D15DF | 15.6±2.0 | 21000 | 163.5 | 10.1±2.0 | 13600 | 68.5 | 69 | 30.5 | 0.4 | 198,000 |
AE1020D44H40DF | 42.0±6.6 | 9030 | 189.6 | 28.0±6.6 | 6020 | 84.2 | 34 | 27.2 | - | 221,760 |
AH10x12.5D50H40DF | 48.5±6.6 | 6517 | 158.0 | 32.3±6.6 | 4345 | 70.2 | 34 | 27.0 | - | 253,440 |
圧電セラミック素子には多成分固溶体セラミックスを用いており、圧電縦効果を利用して電気エネルギーを変位や力などの機械的エネルギーにか変換するセラミック素子です。
この樹脂外装型シリーズは各種装置の精密微細位置決め機構や駆動源をはじめとして各種用途に使用されています。
基本情報は以下に記載されており、ご参考までトーキン社のカタログを添付します。
特徴
- 高速応答(圧電素子単体の場合外部機構接続の場合:何れも共振周波数の1/3)
- 電気エネルギーから機械エネルギーへの変換効高(約60%)
- 単位体積当りの発生機械エネルギー大(1cm3 当り約20mJ)
- 大きな発生力(断面積1cm2 当り約3500N)
- 変位拡大機構のエネルギー源として最適
- 高い位置決め分解能を持つ
- 駆動電圧が低く使い易い
トーキン製積層圧電アクチュエータ内部構造図
用途
精密微細位置決め、 光学装置のオートフォーカス、 ポンプ、 バルブ、 加震、 制震、 荷重センサー、 DSC手ぶれ防止、 ミラー・ プリズム等光学系位置制御、 マニピュレーター、 モーター、 プリンター など。
注意
*は発生変位およびヤング率(4.4 X 1010 N/m2)を基にした弊社計算値
**静電容量許容差: +/- 20% <条件: f=1kHz, V=1Vms (<10μF); f=120Hz, V=1Vms (>10 μF)>
***送料別の単価。尚、1回の注文が50単位以上の場合価格の相談可。
※ご注文の合計が10万円以下の場合、送料2000円を徴収させて頂きますのでご了承頂ければ幸甚です。
寸法
[ 外形寸法 ]
[ 線経 ]
単位:mm
H | W1 | W2 | W3 | T1 | T2 | L | Φd | φD | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
AE0203D04DF | 5±0.1 | 3±0.1 | 3.4Max | 5.5Max | 2±0.1 | 2.4Max | 100 | 0.3 | 0.5 |
AE0203D08DF | 10±0.1 | ||||||||
AE0203D16DF | 20±0.1 | ||||||||
AE0203D44H40DF | 40±0.1 | ||||||||
AE0505D08DF | 10±0.1 | 5±0.1 | 5.4Max | 7.5Max | 5±0.1 | 5.4Max | |||
AE0505D16DF | 20±0.1 | 0.5 | 0.8 | ||||||
AE0505D44H40DF | 40±0.1 | ||||||||
AE1010D16DF | 20±0.1 | 10±0.1 | 10.4Max | 12.5Max | 10±0.1 | 10.4Max | |||
AE1010D44H40DF | 40±0.1 | ||||||||
AE1414D16DF | 20±0.1 | 14.2±0.1 | 14.6Max | 16.7Max | 14.2±0.1 | 14.6Max | |||
AE2525D15DF | 20±0.1 | 25.1±0.1 | 25.5Max | 27.6Max | 25.1±0.1 | 25.5Max | |||
AE1020D44H40DF | 40±0.1 | 20±0.1 | 20.4Max | 22.5Max | 10±0.1 | 10.4Max | |||
AH10x12.5D50H40DF | 40±0.1 | 12.5±0.1 | 12.9Max | 15.0Max | 10±0.1 | 10.4Max |
性能
項目 | 規格 | 条件 |
---|---|---|
使用温度範囲 | -25 to +85℃ | 直流電圧印加時:周囲温度 交流電圧駆動時:周囲温度+発熱温度 |
推奨製品保管温湿度 | -5 to +40℃ / 40%R.H以下 | 室温の保管が望ましい。 製品結露なきこと。 |
誘電正接 | 5%以下 | |
引っ張り強度 | 発生力の1/10 | |
温度サイクル試験 | 変位値:初期値±20% 静電容量:初期値±30% 誘電正接 : 初期定格値以下 絶縁抵抗:1MΩ以上 外観: 著しく異常のないこと |
室温(3分) –25℃(30分) 室温(3分) +85℃(30分) 以上で1サイクルを 10 サイクル繰り返し |
特性データ(TOKIN積層圧電アクチュエータカタログより抜粋)
信頼性について
積層圧電アクチュエータの主な故障モードは、絶縁性低下によるショートモードです。印加電圧ならびに環境温度に加え、湿度の影 響を大きく受けることが確認されています。
トーキン社の積層圧電アクチュエータの信頼性をMTTF[mean time to failure=故障に至る平均時間]という指標にて表している。現時点で得られているデータと考え方を記述するにとどめます。
DC 直流電圧印加時
加速された条件下で観測されたMTTFsを基準値とし、以下の(1)式を用いて実使用環境下でのMTTFrを推定します。
パルス電圧印加時
パルス駆動しますと、セラミックの誘電損失により発熱し温度上昇します。そのため、湿度の影響を受けにくく なり寿命が大幅に伸びることが確認されています。
この効果は、素子形状、パルス波形、周波数により左右されますので、 現時点では、直流電圧印加の場合のように数式により算出することはできません。
トーキンのAE0203D08の場合、0~150Vの矩形波を500Hzで印加した場合、500時間後(9億回相当)においても故障が発生 しなかったという結果が得られております。
注:素子の固定方法や電圧の立ち上がり速度によるリンギング現象によって物理的な破損を生じる場合があります。
使用ガイド
●信頼性の低下を防ぐため、素手での扱い及び振動のあるところでの保管を控え、常温(-5 to +40℃)且つ乾燥した環境 (40% RH以下)保管 が望ましいです。
●素子の変位発生軸と取り付け面が垂直になるよう取り付けてください。
●本製品に曲げ、ねじり、引っ張り力が加わらない様ご注意ください。
参考:ねじり、引っ張り力の許容範囲の目安
参考値 | 備考 | |
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ねじり力 | 3 X 10-1 N.m以下 | 発生力(圧縮抗力)800N品の場合 |
引っ張り力 | 50N以下 |
●100℃以上の高温環境下に置かれた場合、または、長期保管後(3ヶ月以上)のご使用の際は、使用前に再分極処理を行ってください。分極方法は下記の回路図および条件を参照ください。
●接着剤としてエポキシ系樹脂がご使用いただけます。発生力、発生変位を減衰させないため、剛性が高く接着層が極力薄くなるタイプのものをお選びください。また、接着剤は圧電アクチュエータ側面にはみ出さないようにしてください。
●熱硬化タイプの接着剤をお使いの場合は、硬化後、再分極処理(上図を参照)を行ってください。
接続と注意事項
接続
赤色のリード線を駆動電源の正極(+)側に接続してご使用ください。また、逆電圧がかからないようご使用ください。
注意事項
基本的には、目的とする変位、発生力をコントロールするのは電圧ですが、
・駆動にあたっては、素子自身の持つヒステリシ ス特性や共振によるリンギング現象について考慮する必要があります。
・パルス駆動をする場合は以上のほかに、誘電 損失による発熱、容量成分による充放電電流、さらに、電源出力インピーダンスについても十分配慮する必要があります。
荷重と発生力の関係
静荷重時:圧電アクチュエータが変位したとき、荷重が変化しない。
変動荷重時:圧電素子の変位によりバネの反力が生じて荷重が変化する。