推奨駆動回路と駆動条件の選択

1)アナログ駆動の場合

図5 図5はアナログ駆動の場合の回路例を示します。増幅器に流れる電流I(A)は、表1に示される静電容量をCd(F )、メカトランスに与える電圧の1秒当たりの変化をdV/dt(V/sec)とするとき、
式2
で与えられます。この電流値は増幅器機種選定のめやすになります。但し、この計算は機械系に流入する電流を考えておりません。実際にはメカトランスに与えられる負荷により、流入する電流値も変わりますので、増幅器機種を選定される場合には、電流値の実測をお薦めします。抵抗R(Ω)の値としては、表1に示される剛性値をKs、メカトランスに負荷として加えられる質量をM(kg)、および上記のCd(F)に対して、下記の式で計算される値を用いると最も制動が良く効きます。
式3
 尚、制御電圧としては、メカトランスの変位を変位センサで読み取り、変位センサから演算された結果の電圧が加えられる場合が多い様ですが、ここでは詳細は述べません。

2)デジタル駆動の場合

 図6および図7は弊社でご提供できるデジタル駆動回路の場合の駆動回路例を示します。メカトランスと駆動回路の組み合わせは表3の通りです。

図6 図7
表3

 この回路の場合には、メカトランスには矩形波電圧が加わりますが、メカトランスは入力側に静電容量を持つため、矩形波の立ち上がりおよび立下り時点で大きなピーク電流が流れてしまいます。それを防止するため、駆動回路とメカトランスの間にコイルLまたは抵抗Rを入れる必要があります。メカトランスの動きとして、大きな運動エネルギーが要求される場合には、コイルを用いることが効果的です。コイルのインダクタンス値L(H)としては、メカトランスの機械系の共振周波数と、静電容量CdとコイルLとで形成される共振周波数を一致させると良い結果が得られます。表1に示される剛性値をKs(N/m)、静電容量をCd(F)、メカトランスに負荷として加えられる質量をM(kg)とするとき次式より決定して下さい。
式4
 この場合のコイルについては、インダクタンス値のみならず、コア材料およびエアギャップの選択により、電流によるコアの飽和を避ける必要があります。もしも飽和の問題等でお困りになる様でしたら、インダクタンス値をご指定頂ければ、コイルの製作を承ります。
  メカトランスをパルス印加により駆動し、一回の動作が終わる毎に静止させたい場合には、信号入力のパルス幅を下記の式で決定して下さい。単位はM(kg)、Ks(N/m)とするとき、T(秒)となります。
式5
 静止させるためには抵抗Rsの値も関係します。抵抗Rd の値については実験的に決める必要があります。ほぼ数Ωから数百Ωの中に適切な値がある筈です。尚、抵抗Rdについては、繰り返し周波数等にもよりますが、一般にこの抵抗器の中で消費される電力は大きくなります。充分ワット数の大きな物を使用して下さい。メカトランスの内部で消散されるエネルギーは比較的少ないため、駆動回路に流入した電力の大部分がコイル中の直流抵抗およびこのRd の中で消散されます。
 直列コイルの代わりに抵抗Rsを用いることは、メカトランスに比較的穏やかな動きが要求される場合に最適です。例えば、信号入力を適切に選定することにより動きとしてオーバーシュートが少ない動き等の実現も可能ですが、動的条件下での駆動に関しましては若干の経験が必要ですので、ご不明な点があればご相談下さい。
 デジタル駆動回路の場合に、コイルLを用いて矩形波を加えた場合には、一般に基の矩形波電圧の約2倍にあたる電圧がピーク値としてメカトランスに加わります。抵抗Rssを介して矩形波を印加した場合には、抵抗の値にもよりますが、一般に基の矩形波電圧値よりも高いピーク値電圧が加わると考えて下さい。そのため、矩形波電圧の値は、コイルLを用いた場合には最大80V、抵抗Rssを用いる場合でも最大130V以下として下さい。

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